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「じゃあ、二人共十円玉に指を乗せて!」
廟の声に十円玉に指を乗せた。
「じゃあ、始めるよ。僕の言った様に繰り返して。絶対に途中で、十円玉から手を離しちゃダメだからね!」
そう言って、廟は一度目を閉じてから、ゆっくりと声を発した。
「こっくりさん…こっくりさん…いらっしゃいましたら、はいの方へ動いて下さい…」
藤井と蔵田は同じ様に繰り返す。
しかし、十円玉は動かない。
「おかしいなぁ。これであってるんだけどなぁ。もう一度やろう!」
その後、何回かやるが、変化はなかった。
「もう!二人共疑ってやってるでしょ!?」
疑うも何も、蔵田も藤井も動くなんて考えて無かった。
「動く訳無いよ。止めよう。こんな事。」
藤井は言うが、廟は引かない。
「もう一度!もう一回やってみようよ!藤井くんが最初に言ってみてよ!」
オカルトマニアに困ったものだと思いながら、藤井はこれで満足すればと思い、廟と同じ様に唱えた。
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