プロローグ

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「これがあの方の血を引く者とはなぁ…」 呆れた様に言い放ち、手に持つ団扇を一扇ぎする。 一陣の風が吹き抜け、浮遊霊は消え去った。 「ありがとう!これであの人達も成仏出来たね!」 天狗が手にかけて成仏とは奇っ怪な事を言う子供である。 「さて…始めるか。」 天狗がそう言い、右手をゆるりと上げた。 その瞬間。 烏天狗が姿を現した。 「行け。」 天狗の号令と共に烏天狗達は得物を持ち子供に迫る。 「もうやるの~ぉ。」 子供はやる気が無いように吐き捨てる。 次の瞬間、烏天狗達は一斉に子供を攻撃した。 ガッ!! 子供はそこには居なかった。 「遅いよ。」 天狗が居る木の根元に姿があった。
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