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再会
二人は宮島を観光した後、それぞれの宿泊する場所へ向かった。
(一也)
『トシ、今日はよかったよな、美しい紅葉見れて』
(トシ)
『そうだな』
(一也)
『そう言えば写真を撮ってた二人組の子達いただろう、後できづいたんだがハンカチを落としていったんだ』
(トシ)
『えっ、持って帰ったのか?』
(一也)
『気付いた時にはもう姿がなかったんだよ』
(トシ)
『まぁ、どうしょうもないな。明日は尾道に行くんだろ、楽しみだな』
(マキ)
『今日は歩き疲れた、明日は尾道だし、早く寝るわ、ゆき』
(ゆき)
『そうだね、明日は尾道だね、坂が多いんだよね、疲れそうだから今日は早く寝よ。そう言えば宮島でハンカチを落としたみたいなんだけど見なかった?マキ』
翌日、二人は尾道に向かった。まったく接点のない二人。ごく普通であり、日常どこでもあるありふれたひとコマだ。しかし、時にいたずらで偶然が日常の中で起きることがある、それは偶然というよりはむしろ必然とも言えるときも少なくともあるのである。あのときの僕らがそうであったように。
(一也)
『尾道の町並みはいいよな、トシ見てみろよ、坂が多いなか家が密集して建ってるよ』
(トシ)
『すげぇなぁ、配達する人は家をまちがわないんだろか』でもあの高台から見える夜景は凄そうだな、一也
』『ところで今日の宿泊はどこだ』
(一也)
『駅の近くだったと思うよ』
僕らはその日宿泊する場所へ移動した。学生だったこともあり古い民宿を選んだのだ。民宿のおばさんは僕らをこころよく迎えてくれた。
(一也)
『こんばんは、今日予約してます北川といいます』
(民宿のおばさん)
『どこから来たの?』
(一也)
『東京です』
(民宿のおばさん)
『まぁ遠くから』
『今日は岐阜の方からも二人きとるよ、確か学生じゃったかな』
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