『sweet』

3/3
前へ
/173ページ
次へ
『誕生日なんだってね。些細だけど店からお祝いさせてね』それだけ言って席を離れた。店から・・・いやそんな事をされてもまた来るか分からないのに困るよ。心の中で叫んだ。 そうこうしてるうちに店内暗くなり、『happybirthday』の曲が流れた。潤くんがマイクを持ち、たった数時間前に会ったばかりの私の為に歌ってる。拍手とともに歌が終わり。テーブルにケーキとカフェドパリ(シャンパン)を一人の男の子が持って来た。 シャンパンを開ける時に『ポン』と大きな音を立て泡が溢れた。その瞬間みんなが『おめでとう』と言った。恥ずかしい、でも凄く嬉しい!去年の今頃は離婚の話しをしていて誕生日に離婚をし、今年も嫌な一日になってたはずがこんなにも楽しい。お酒の力は凄い。 緊張はいつのまにかなく、恥ずかしさだけが残ってる。 甘い物は苦手だ、でも無理して食べる。せっかくの好意を無駄にしたくない。 ケーキを食べ終わると、稜斗さんが席には付いた。 『本当ささやかだけどごめん。また遊びに来てね。』 かわいい笑顔で笑っている。とても店のトップには見えない。 身長は大体175ぐらい。顔は整ってはいるがどちらかと言えばかわいい系だ。顔に似合わず声は酒焼けしている。潤くんよりは稜斗さんのがタイプかもしれない。 私はかわいい顔が好きだから、潤くんは綺麗な顔で背が高く。落ち着いた人。 稜斗さんに『今日はありがとうございます、きっとまた来ます』とだけ伝えた! 稜斗さんが席を離れてすぐまた店内が暗くなる。 『ラストソング』だよと横であいちゃんが教えてくれた。 店が閉まる前に稜斗さんが必ず、歌を歌って閉まるらしい。 今日の歌は『Gacktの君に会いたくて』しゃがれ声で一生懸命歌ってる姿が可愛かった。 歌が終わり店内が明るくなり、会計がきた。安い! 初回料金だから安いのは当たり前だが、あいちゃんの会計を見ても安い。ホストクラブって高いイメージがあったから正直びっくりした。会計が済むと、送り出し、担当の子に下まで送ってもらえるみたい。潤くんとエレベターに乗り番号交換をして別れた。 あいちゃんと家路に着く間、店での話しで盛り上がり、また行こうねと約束をし別れた!家に着くなり化粧も落とさないで眠りについた。変な緊張とお酒を飲んだせいかすごく疲れていた。 ホストクラブは夜中の二時から朝八時までだから家に着いた時は10時を過ぎていた。この日からホストクラブにはまってく
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3156人が本棚に入れています
本棚に追加