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「入っていいぞ」
ドアが開いて部屋へ入ってみると、ティエリアはいなかった。
いや、ティエリアにそっくりの美人はいた。
「ティエリ……ア……」
「なんだ」
声はティエリア。
でも、姿は美人さん。
「すごい……」
「褒められても嬉しくないぞ」
少し怒ってるのかとげとげした返答をする。
「ご……ごめん」
「自分から志願したとはいえこれは少し抵抗がある」
ティエリアもあまり快くは思っていないようだ。
「綺麗なのに……」
口が、すべった。
「では君がやるか?」
「え…僕じゃ気持ち悪いだけし遠慮しておくよ」
「似合うと思うが」
「え?」
幻聴か、と聞き返す。
「似合うと思うと言ったんだ」
どうやら幻聴じゃなかった。
「そんな僕なんて鍛えてるから女性の服なんて似合うわけないよ」
「いいから着てみろ」
半ば強制だった。
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