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その部屋には
いくつもの棺(柩)が無造作に置かれていた。
部屋は薄暗く柩の他には1人の男がいるばかり
男は黒のコートに身を包みシルクハットを目深に被り
手にはステッキを持っている。
部屋には一つだけ扉があり、その横の椅子に腰掛けていた男は不意に立ち上がった。
奥に置かれた柩の一つが音を立てたのだ
男はいくつもの柩の横を通り過ぎながら例の音を立てた柩の前まで来た。
柩は黒く実にシンプルで、薄暗くなっている部屋の中では目を凝らさなければ見付からない。
男はステッキを持ち上げると柩の蓋をコンコンと二回叩いた…
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