柩-HITUGI-

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思い出した   何となく覚えのあるこの箱の中。 中を柔らかい布に包まれた…そう丁度外国の映画で見た事のある棺桶のイメージそのものだった。   「どういうことも何も…そういうことでしょう。それとも、貴方は棺桶をベッドの代わりにしていますか?」   死ななければ柩など入る必要も無い   つまりはそういうこと   「思い出した……あたし…死んだんだ…」   囁くような声に男は肩を竦める   ギィッ…   聞こえた音に柩から立ち上がると音のした柩に目を向ける。 1人の男が柩を開け外へと向かっていく。 男は黙ってその男に深々と頭を下げた。   「逝ってらっしゃいませ」   ガタンッ   シンプルな柩が音を立てる。   「ねぇっ!今の音何!?」  
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