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公園のベンチに座っている貴女に声をかけた。
「あの…お姉さん」
聞こえなかったのか、振り返る事なく遠くを見つめている貴女の横顔を見て僕は息を呑んだ。
『…綺麗だ……』
しばらく見惚れていたけど、当初の目的を思い出し気を取り直してもう一度声をかけた。
「あの、お姉さん!」
今度は少し強めの声で、肩に手をかけた。
貴女はそれに気づき、こちらに振り向いた。
『やっぱり、綺麗だ…』
「何か?」
何も話さない僕に、穏やかな声で尋ねた。
「えっと、…あの、お姉さんは今お暇ですか?」
焦ってしまって、しどろもどろになっている僕を見て、クスクス笑いながら貴女は答えた。
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