妄想

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   想像していただきたい。  ここは春の日差しが温かい公園。    年の頃は12、3。凝った刺繍が施してある黒いワンピースを身にまとった少女が一人。  腰まである手入れの行き届いた癖のない真っ直ぐな黒髪、陶器のように透き通った白い肌、春の桜のような薄ピンクの唇、勝ち気な印象を与える二重の瞳、全体的に幼さを残した美少女。    「…お、おいっ、そこのお前」    これだけでも完成型に近いが、この子に漆黒の猫耳と尻尾をつけてみると…。    「…あっ、わ…私が…遊んであげてもいいぞ?」    断られることに怯えた瞳を潤ませ、いつもはツンと立っている猫耳を弱々しく倒し、しっぽを自分の体に巻き付けながら頬を薄く桃色に染め、恥ずかしがりながら呟く。  素直になれないお嬢様気質な彼女の、精一杯の意思表示。  これを断るのは人のすることではないな。   やはり猫耳はいい…。      次に行ってみよう。  
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