妄想

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   ここは真夜中のお洒落な、高級感溢れる大人のBARである。    『グラマー』    それは、彼女のためにある言葉と言っても過言ではない。  豊満な体をソファに沈め、妖艶な笑みを浮かべた大人の女性。  服装は、赤いドレスに赤いハイヒール、首からは白いファーをたらすといった派手なもので、普通の人なら『服に着られる』という悲しい現象が起こるが、彼女の魅力がそれをさせない。  軽く外にはねた茶色のショートヘアー、潤いのある妖しい唇、最小限の数で最大限の効果を発揮している装飾品達。  見事なくびれを持つ腰は猫のようにしなやかで、男たちの目を釘付けにする。    「うふふ。あなた、こういう所に来るの初めて?」    では、このお姉さんにも猫耳と尻尾を付けてみよう。色は、髪に合わせて明るい茶色をチョイス。    「…変ね、…酔ったみたい」    グラスを片手に、隣に座っている彼女が、とろんと甘く溶けそうな視線を投げかけてくる。  上気した肌の、温かく柔らかい感触が自分の半身に寄りかかってくる。  彼女の可愛らしい耳を優しく触ると、頬の赤みがさらに増す。可愛い。    ビバッ!!猫耳。      さらに進んでみよう。  
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