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放課直後の教室。学校の授業独特の内圧から開放され、ざわつきながら帰宅する、生徒達。
そんな騒がしい風景の中、会話をする二人の生徒がいた。
「…それにしては、気持ち良さそうにしてたけど?」
影城七夜、と。
「だ、だから…。何で起こしてくれかったのよ…!」
秋原くるみ、である。
「別に…?くるみががーがー気持ち良さそうに寝てたから、邪魔しちゃわるいと思って」
「な、七夜…あんたねぇ…」
この二人は同じ中学の出身で、親友同士である。
影城七夜。
身長の低い小柄なこの女生徒は、長い髪を腰より下に伸ばし、頭の後ろに大きなリボンをつけている。
かわいらしい外見ではあるが、目付きは鋭く、常に何かを睨みつけているようにも見える。
秋原くるみ。
長身で、髪を二つに左右で分けたこの生徒は、制服の上からではよく分からないが、実際は大人顔負けの、モデル体型の持ち主。
目もぱっちりとしていて、長いまつげと笑顔が印象的である。
ちなみにHRまでいびきを立てて寝ていたのがくるみで、それを起こさなかったのが七夜だ。
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