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「……敬は一体何を慌ててるんだか。なぁ……、おかしくないか? 俊宏」
梓は椅子をくるくる回しながら姿を隠そうとする生徒会メンバーに話掛ける。
「……なぁーんだ。居るの知ってたのぉ? 言ってくれれば良かったのにぃー」
物陰から出て来た俊宏は文句を言いながら梓に歩み寄った。
梓は無駄に装飾の素晴らしい天井を仰ぎ見る。
「面倒臭い。それに、敬は気付いてなかったからなぁ……」
「ふふっ、敬はあらゆる方向に鈍いからね……」
俊宏の含み笑いに梓は微笑を浮かべる。
「そうだな。何か……明日から面白そうじゃないか?」
「……うん。楽しいと良いね?」
生徒会室ではこんな不気味な会話が繰り広げられていた事など、つゆ知らず、美羽は敬に保健室へ運びこまれたのだった。
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