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「梓と敬は連れ添って長いんだねぇ……」
「おまっ! それは夫婦に使う表現だっ!」
すかさず梓が突っ込み敬は喉の奥で笑った。
「いいねー、その表現。かなりイケてるー」
俊宏もニヤニヤしていた。写真を懐かしそうに眺めながら……。
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「美羽、お前は確実に楽しんでるだろ」
二手に別れて最後の確認をした。問題など無いだろうが念には念を入れた方が良い。
「……楽しんでるかな。なんか……普段の梓って周りにすごい気を使ってて、あんな学生らしい顔見せないからさ……」
「学生らしい顔?」
「うん。人に頼るような人間じゃないのは知ってるけどあまりに頼らないから……。でも、敬や俊宏には違うでしょ? 甘える……っちゃ、おかしな表現だけど、『高校生だなぁ……』って感じるのよねぇ」
それがまた嫉妬に繋がるのだろうか……。
もっと見たい顔があるのにそれは全部取られてしまう。
悔しいの……かな。
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