特別編―南陽祭一日目

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「よく言うよ……」  美少女梓は美羽の髪を耳へ掛けながら爽やかに笑った。  普段から姿勢も良く物腰の柔らかい梓はどんな姿形でも……狡い。 「お前こそ、俺に堕ちてるクセに」  こんな美少女に迫られたらどんな人でも魅了されると思う。  梓の目力は半端な物ではないのだ。 「うっ……」  言い返したいのに言い返せないのは有無を言わさぬ圧倒的な力と―――女装だ。 「カッコイイ事言ってるけどね、女の子同士に見えちゃう」 「ですね……」  背の高い二人なら尚目立つ事この上ない。
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