特別編―南陽祭一日目

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 梓はふわりと髪を片側に寄せながら敬と俊宏を振り返る。 「お前らこれからどうする?」 「どうしようね?」 「たまには……楽しむのはどうでしょうか?」  敬の意見に二人は一票ずつ投じていた。話し合いは案外簡単に纏まったらしい。 「よし、美羽。今日はお前に付き合ってやるよ」  梓は美羽と指を絡ませた。恋人繋ぎだ。 「良いの?」 「今日だけな。明日は忙しくなるだろうし……」  明日も行事があり、今日よりも時間が取れないのは目に見えている。  それに梓が付き合ってくれる、と言うのだからそこは素直に頷くのが得策だろう。
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