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「サンキューな」
梓は丁寧な包装を無意味にする破り方をして中身を指で摘んだ。
敬と俊宏はきちんと女心を分かっているようでラッピングを慎重に剥がしてくれていた。
三人は甘い物を常に装備している。いわゆる甘党。
それは板チョコレートだったり、飴だったり、本当にバリエーションが豊富だった。
学校内、外問わずに目立つ且つ有名な梓達には美羽は最近知ったのだがファンクラブがあるらしく差し入れも多々あった。
美羽は間近でそれを見ていたからこそ彼らが好き好んで食す物がよく分かっていた。
「どうっ?」
美羽は無言でむしゃむしゃクッキーを味わう三人に返事を求めた。
いつまでも黙ったままで居られると不安になる。
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