特別編―南陽祭二日目

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――――――――――*****――――――――――  その楽しい雰囲気は無情にも吹き飛ばされた。 「なんだと……?」 「何と言う事……」 「超やっばぁい……」  生徒会の顧問を押し付けられた新任の先生は梓の目力に瞳を潤ませた。  彼が悪い訳では無いけれど顧問と言う立場上仕方ない。 「だ、だからね、予定してた人達が皆来られないだって! ぼ、僕もさっき知って……福河君、どうしよう……!」  それを考えるのが教師の役目だが彼はもう、役に立ちそうにない。  三人の思考は既に次のプランへ移っていた。  真剣な顔付きで打ち合わせを始めたが穴の開いた2時間分を埋めなくてはいけない。  渋滞が解消され、アーティストや劇団が来るまでの最低必要時間は“2時間”。  現実的に考えてもそれを埋めるだけの手立ては手元に無い。  
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