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人は見たくもないモノを見た瞬間に固まる……―――
美羽はそんな状態の敬に焦りを感じて袖を引っ張る。
容赦ない“借り物”が売りである借り物競争に当たったことを敬は恨んだ。
・
「“大切な人”を連れて来なさい……って……」
紙の中央に印された借り物は敬の心をえぐる。
まさか、この題目が自分に当たるなど考えてもいなかった。
定番のワード。
告白するチャンス。
だから、この二人三脚借り物競争は人気なのだ。
二人三脚でする理由は参加したい人が多いから、と言う単純な物で、これはクラスからランダムに選抜される。
敬は参加する競技などたいした興味などなく、なんとなく流されてこれに決まった。美羽も同じだ。
こんなことなら、止めれば良かった―――と今更ながら後悔するも本当に意味の無い悔やみに終わる。
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