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クラクラする熱に傷に塩を擦り込む借り物。
「どうする?」
美羽は判断を敬に託し、返事の催促をした。
しかし、まともな決断が下せるような状態でもなく、敬は歪む地面に視線を落とす。
「………………走ります」
敬は1つの答えを用意して美羽を引っ張った。彼女は何も言わずにそれに従う。
真っ直ぐに、敬と美羽のペアは突き進み、観衆をざわめかせた。
探さなくとも見付かる位置に足と腕を組み座っている人物を敬は借りに来たのだ。
「梓」
梓は何事か、と目を丸くしていたが敬は無理矢理に彼を引っ張ってゴールを目指した。
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