作られた関係

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『…チェルト?…コンチェルト?大丈夫?』   夢から覚めたように、愛くるしい瞳が私を捉えていた   『…えぇ、平気よ…』   一口飲んだローズヒップが口内全体に広がり心を落ち着かせる   『そう?なら良いけど…』   心配そうに見つめる彼女は   わたしの姉…   勝気で美しい人…   二人の男に愛された人…   彼が愛した人…   『何か悩みがあるんじゃない?』   『…悩みなんてないわ…?』   『嘘』   キッパリ言い斬られてしまった…   何故だろう?昔からいつもバレてしまう…   『またジェームズの事で悩んでいるんでしょ?』   挑発的な瞳   時々姉が怖くなる 『ここ最近帰りが遅いの…きっと仕事なんだわ…』   姉と夫は幼ななじみ   私より夫を理解している   『酷い人…私の妹と結婚しといて仕事なんて…』   夫が姉様に惚れる理由がわかる   姉さんは優しい人 とても可愛い人 『ねぇ、時には心配させてやりなさいよ…黙って従うだけが妻ではいわ!!!』 そう言い姐様は一枚のチケットを取り出した 『…これは?』 『ホルマン伯爵の舞踏会ですって…是非貴方にって…もちろんジェームズ抜きでね?』 そういいウィンクする姉を見てほんの少し嫌な予感がした…   『舞踏会は来週の今日。ジェームズにはバレないようにね?』  
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