最終章

4/25
前へ
/186ページ
次へ
あれは、ちょうど一年前位かな…? その時はおねいちゃんの引っ越しの日だった 三年余り暮らしていたアパートを引き払い 実家に帰ろうとしていた 前もってお父さんから、手伝いのコールを受けていたため えりと手伝いに向かった お父さんが軽トラを借りて来ていた 既にお母さんは、荷造り中… そして、もうひとり…ひたすら荷物を運び出す人が… それは、ここで三年余り一緒に暮らしていた おねいちゃんの彼だった 彼は色々あり、事件を起こし3ヶ月間服役し出てきたばかりだった おねいちゃんは、彼が服役している間に考え夜の仕事も辞め 子供もそろそろ幼稚園なので 実家に帰る事を決意したみたいだ でも、その後ろ姿はあまりに寂しそう… どんな気持ちで二人で使ってきた物を整理してるんだろう 励ますこともできずじまい おまけにえりの大嫌いなおねいちゃんの彼氏 何時もえりは… 『早く別れればいいのに…凄くうざいあいつ』 『やっと清々する!』 ある程度片付けも終わり 一服していた時だった お母さんが口を開いた→ 〔あなた、もう二度と連絡してこないでね!〕 〔◯◯ちゃんも幼稚園に入れないといけないんだし〕 〔おねいちゃんも最後に言いなさい!連絡してこないでね!って〕 黙り込むおねいちゃん… その時彼が重い口を開いた! 「この前二人でやり直そうねって言ったよね」 「◯◯も幼稚園に入れて」 「そして、結婚しようって約束したのに、どうしてなの?急に…」 溢れ出す涙を止めることも拭う事もできないまま ボタボタと涙を流しながら訴えていた 《可哀想…チョイ悪な彼氏だったけど》 〔もう、連絡してこないで下さい〕 とうとうおねいちゃんが… それが、最後の別れの言葉になった! お父さんとふたりタバコを持った手が止まっていた どうであれ→人の別れの場面なんて見たくない! もう少しで貰い泣きしそうだった えりとふたり帰りの車の中で… 『はぁ~やっとこれで清々した!バカが…』 「もう、いいじゃないか!見たろ!えりも…」 ちょっと、えりにムカついた いつかこんな風にお母さんから、えりから言われたら…
/186ページ

最初のコメントを投稿しよう!

193人が本棚に入れています
本棚に追加