2834人が本棚に入れています
本棚に追加
/700ページ
見る夢から見せる夢へ変化したのだ。
解りやすくいうと、どうすれば、“夢”の内容を、実現できるか。
その方法を夢で見るようになった。
そこから彼は、熱心に勉強したようだ。苦手な理科も、嫌いな算数も、全ての分野の知識を貪欲に吸収し、夢の実現を目指した。
すると彼は気が付けば、有名大学の助教授にまでなっていた。
その頃には、既に、ありとあらゆる方法を試し尽した後だった。
未だに見る夢は近く遠いものだった。
そんな彼に転機は不意に訪れた。きっかけはなんとオカルトだった。
気晴らしに、つけたテレビの心霊番組。霊は貴方を呼んでいる、そんなくだらない詠いもんくであっかが、彼の中では革命が起った。
科学と、化学と、オカルト。三位一体の融合である。
彼はすぐさま、理論の、構成に取り掛かった。
“夢”という、異なる場所からの応答。科学だけでは対処出来なかったがオカルトならば・・・そんなこんなで更に、10年の月日が流れた。
当時の彼は完全に、変人扱いで、月に何度かレポートを大学に提出するだけで、残りは、殆んど研究室に入り浸っていた。
最初のコメントを投稿しよう!