世界観

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見る夢から見せる夢へ変化したのだ。 解りやすくいうと、どうすれば、“夢”の内容を、実現できるか。 その方法を夢で見るようになった。 そこから彼は、熱心に勉強したようだ。苦手な理科も、嫌いな算数も、全ての分野の知識を貪欲に吸収し、夢の実現を目指した。 すると彼は気が付けば、有名大学の助教授にまでなっていた。 その頃には、既に、ありとあらゆる方法を試し尽した後だった。 未だに見る夢は近く遠いものだった。 そんな彼に転機は不意に訪れた。きっかけはなんとオカルトだった。 気晴らしに、つけたテレビの心霊番組。霊は貴方を呼んでいる、そんなくだらない詠いもんくであっかが、彼の中では革命が起った。 科学と、化学と、オカルト。三位一体の融合である。 彼はすぐさま、理論の、構成に取り掛かった。 “夢”という、異なる場所からの応答。科学だけでは対処出来なかったがオカルトならば・・・そんなこんなで更に、10年の月日が流れた。 当時の彼は完全に、変人扱いで、月に何度かレポートを大学に提出するだけで、残りは、殆んど研究室に入り浸っていた。
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