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シャル「ッ!!〈光撃〉」
自身に向けられたそれを相殺しつつ、ヒラリと身を翻し、着地する・・・
シャル「・・・やはり見えているようですね・・」
沙留は眉を潜め呟く・・・
そこにあるのは驚愕ではなく、困惑の表情・・・
まさか切札をこうもアッサリと、見切られるとは思って無かったからだ。
そんな心境を知ってか知らずか、鳴は肩をすくめて口を開く。
ナル「一撃型に属する幻影系ギフト・・・
ってとこだろ?
光の屈折を利用し、また有りもしない映像を映し出し、相手を翻弄する・・・
違うか?」
鳴の言葉に、悠夏は溜め息を吐く・・・
ユウカ「・・・はぁ・・そこまで分かっていたとは思いもよりませんでした・・・
ですが・・・分かっていても、それほど此方にデメリットは無い筈なのですが・・・」
悠夏の応えには、雹夜が手に水を板状に形態変化させた物を作りながら言った。
ヒョウヤ「・・・光の五階帝・・・【光乱鏡の沙留】・・・ちった~有名な名だ・・・」
そう言われ、複雑そうな顔をした沙留は、最後に一つだけ教えて下さい、と聞いた・・・
シャル「貴方が光乱鏡を見破れる訳を教えて下さい。
何故ですか?」
そう、尋ねながらも・・・姑息な真似とは思いつつも、沙留は偽の自分を写し、雹夜の背後を取った・・・
ヒョウヤ「・・・簡単な話だ・・・」
雹夜が答えようとした瞬間ッ!!
ズボッ!!っと沙留の腕が雹夜の体を貫通する・・・
誰の目にもそう見えた・・・
だが・・・
シャル「・・・やはり・・・」
パッ・・・っと水しぶきが弾け、雹夜だった物が崩れた・・・
それを“やはり”と思いながら、沙留は首に衝撃を感じ、徐々に意識が失われていくのが分かった・・・
その間に、雹夜の言葉の続きが聞こえた・・・
ヒョウヤ「俺も同じ幻影を生業とする者だからだ・・・
水の電従を舐めんなよ!」
それを聞いて、苦笑しながら、沙留は静かに倒れた・・・
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