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カイ「・・・・・・・・・・・」
灰は無言で拳を打ちつけ続けたが、途中急制動をかけて、一気に下がった。
何か反撃があった訳でもなく、終わったと判断したわけではない。
カイ「・・・くる・・」
そう・・・只の本能からだ・・
そしてそれを裏付ける様に、巨大な火柱が燕の位置から上がった。
それは、結界を軽々と破り、天高くまで燃え上がった。
また、それに伴い、気温が20℃も上昇。
そしてついに、燕が姿を現した。
汚れた服。辺りは所々破け、肌の露出も激しい。口を噤んだ者が殆どだった。
それは、燕の妖艶さがそうさせたのではない。
カイ「・・キレた・・・か・・・」
無表情に汗を滲ませて呟く灰が見つめる先は燕。
双眸が赤く光る。
髪が逆立ち、気色は目に見えて攻撃的な血の色に変わった。
ツバメ「・・小僧・・
調子にのるな!!!」
発した気合いと気色で地面が吹き飛び、辺りに飛び散った。
「キャー!!」
「うわっ!!」
「痛っ!!」
それが観客に当たり、結界が消失している事実が改めて震撼する。
そして・・・・
「「「「・・・・逃げろ~!!!!!!」」」」
パニックが起きた。
全員が一斉に逃げ出した。
まぁ、まともな者ならば、当然の選択だと言える。
とばっちりで死にたくはないだろうから。
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