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毎日電話する時間が待ち遠しかった。その頃は、パケホーダイとか無かったので、携帯料金は跳ね上がった。
4万の請求書が見つかった時、夫に叩かれた。
彼には、結婚してる事も本当の年齢も言ってなかったので、泣きながら
「親にバレて怒られたから、こっちから電話出来ない。」
と言った。
彼は、
「俺から掛けるから大丈夫。」
と言ってくれた。嬉しくて涙が止まらなかった。
今まで、料金が大変だから、という理由で交代に電話を掛けていたあたし達。そんなの悪い、と言うあたしに、
「俺が声聞きたいんだから、いいんだよ。」
それが、あたしが見た事もない彼に恋に堕ちた瞬間だった。
そして、その日から彼を失うのが怖くて仕方なくなった。
彼は、実際のあたしを知らない。あたしの生活も、実態も。
本気で好きになればなる程、本当の事を打ち明けたくなる。でも、彼は絶対に去ってしまうだろう。
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