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今思えば陳腐な話だが、そんなエスコートをされた事がなかったあたしは、舞い上がった。
あたしより、かなり年上のその人は、全く危険性を感じさせなかった。
あたしの話を最後まで聞いてくれ、あたしの頑張りや苦労を認めてくれた。
あたしは初めて、自分が結婚していて、子供が居る事を打ち明けた。
彼は、お金も持ってるし、大人の余裕みたいなものがあって、普通にドライブしたり、あたしが行った事もないようなレストランに連れていってくれたり、割り勘にしなきゃ…というあたしの固定観念を崩すように、支払いもスムーズに済ませてくれたりした。
何度目かのデートでホテルに誘われた時、会ってセックスというパターンに慣れてきていたあたしには、むしろ遅いような気がしていた。
正直、なかなか誘われないのは、女としての魅力がないのかな?所帯じみているのかな?と不安になったりもしていた。
あたしはまだ、彼の本当の狙いに気付いていなかったのだ。
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