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あたしがまたチャットをやり始めたのは、そんな時だった。一時期遠ざかっていたが、不満が溜まっていた。誰かに優しくされたかった。
ネットの世界なら、どんな自分にでもなれる。男の子にチヤホヤされたかった。少し現実から逃避して、夢を見たかった。
色々嫌な事もあったので、以前利用していたサイトではなく、新しいサイトを見つける事にした。比較的普通の会話を楽しんでいるチャット。
あたしは、新しいキャラを演じ、仲間も増え、毎日が楽しくなった。
たまにエッチな会話を求めてくる人が入ってくるが、『ここは、そういう会話をする集まりじゃないんで他の部屋に行って下さい』と言って、ご遠慮してもらった。
新しい仲間の中に、関西弁を話す男の子がいた。
あたしは関西弁が好きだ。自分の話せない方言は、興味深い。
よくよく話を聞いてみると、生まれは大阪らしいが、現在はあたしと同県に住んでいるらしい。
なんとなく親近感がわき、実際の関西弁が聞きたくて携帯番号を交換した。あたしより15歳年下で未成年の彼は、正義感が強く、仲間からも人気者だった。
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