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「……しゆ…うじ…」
意識を取り戻し始めた直也は、修二の肩に手を掛け、荒く呼吸をする。
『目が覚めたか?…けど、状況はもっと悪くなったぞ……』
男を指差し、なんとも言えない表情で見つめた。
目を擦りながら、男を見る直也。
よく見ると、見覚えがある。
「…あっ!!なんで…お前がここに!?」
「おいおい…礼の一つぐらい無いのかよ。オレのおかげで……まぁ、いいか!!」
直也は男の顔を見ると、ガタガタと震えながら修二の服を掴んだ。
『どっ…どーしたんだよ!?直也!?しっかりしろ!!』
何も言い返さない直也はただ、子供のように震えていた………。
「ハッハッハッ………。
総監に気に入られ、莫大な力を手に入れたお前もオレを目の前にすると、怖くて震えるのか!?
これほど、笑える事があるか!?
なぁ…直也!!」
ビクッ!!
名前を呼ばれるだけでビクついてしまう……。
震えが…止まらねぇ………。
「修二…作戦変更だ!!一旦…退くぞ!!」
『何っ!?逃げるのか!?』
それ以上は何も言わず、ただただ…震えていた。
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