闇に染まる真っ赤な血

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奴の…亮介の速さにまったく、ついていけない二人。 「なんて…速さだ」 『二人掛かりでも全然、歯が立たないなんて……』 奴に攻撃する所か、触れる事すらできない。 息切れを起こす修二と直也。 亮介は平然な表情でいる。 二人掛かりにも関わらず、本気で相手しているように見えない……。 「くそっ!!何故だ!! 前より…前よりも体が軽いのに当たらない!!」 そう………。 二人の体は、ワクチンにより状態は回復し、元以上に力量が上がったはず。 なのに奴には勝てない。 手も足も出ない…とは、この事だろう。 『何か…何かないのか……。 奴にも何か弱点があるはず………』 「何をブツブツ言ってやがる!! なぁ…修二、直也!!本気で闘ってくれないか!? オレも“本気”を出してみたいんだ!!」 奴の表情…。 奴の口調……。 奴の言葉の意味………。 その場に居るだけで、気を失いそうだ。 逃げなきゃ………。 本気で殺される!!
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