10250人が本棚に入れています
本棚に追加
さらに衛兵の一人が追い込むように口を開いた。
「任務を遂行すれば、自由…。
逆らうなら、死ぬまで一生この牢獄の暗い天井でも眺めてろ。
………死ぬまでな!!」
選択の余地を与えない………。
「…本当に…自由になれるのか!?」
「あぁ………。私は嘘を言わん。なんなら、報酬も出そう……」
〈自由に…なれる。金も…手に入る。何も文句がない………。
ただ…コイツ等が信用できない!!〉
さらに黙り、考え込む。
「すぐに返事が欲しいんだが…嫌なら他に当たる……」
そう言い残し、その場を離れようとした。
「待て!!………やるよ。やってやるよ!!」
〈どうせ死ぬまでする事ないんだ…。だったら、やってやるよ!!〉
下を向き、瞳を合わせないまま答えた受刑者。
「そうか…。君が適任だからな………」
足を止めた総監は再び歩き出した。
そして、角を曲がった所で衛兵に静かに呟いた。
「実験の準備を始めろ………」
悪魔の顔に笑みが浮かんだ。
最初のコメントを投稿しよう!