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ドスン。
いったぁ~い。勢いあまってドアにぶつかった……と、思ったら誰かが立っている。
「なんだ、まだ起きてたのか?」
なぁ~んだ、パパか。サンタさんかと思ったのに……ちょっとガッカリ。
「早く寝なさい」
「はぁ~い」
あれ? パパが後ろに回した手に何か持っている。
「パパ、それなに?」
「え? え~と……あぁ、これは今日パパが会社の人にもらったんだよ」
パパはなんだかママに叱られたときの言い訳みたいにぼそぼそと言った。
「ふぅ~ん。ぼくにプレゼントかと思った」
幼稚園でおなじ組のたっくんが、
『サンタクロースはパパなんだよ。』
って言っていたのを思い出した。
でもぼくは違うって言っていつもけんかになるんだけど。
「プレゼントはサンタさんが持ってくるんだろ? ほら、早く寝ないとサンタさん来てくれないぞ」
パパってばママとおなじこと言ってる。
「はぁい。でもぼくきょうはサンタさんが来るまでぜったい起きてるよ。もしサンタさんが来たときにぼくが寝てたらパパ起こしてね」
「わかったよ。寒いから早くベッドに入りなさい」
「はぁ~い。おやすみなさい」
「おやすみ」
ぼくがベッドに入ったのを確かめると、パパは電気を消して部屋を出て行った。
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