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バサッ。お布団を跳ねのけて振り向くと、真っ赤な服を来たおじいさんが立っていた。
「サンタさん!? ほんとにほんとにサンタさんなの!?」
ぼくはベッドからジャンプしてサンタさんに抱きついた。
「ははは。今年もいい子だったりょうくんにプレゼントを持って来たんじゃよ」
サンタさんはぼくを抱っこして笑ってくれた。ぼくは最高に嬉しかった。だって、サンタクロースに会えたんだよ!?
ふゆやすみが終わったら、ぜったいたっくんに言わなきゃ。
「はい、これが今年のプレゼントじゃ」
サンタさんはぼくをベッドに座らせると、プレゼントをくれた。
「ありがとう!」
ぼくがお礼を言うとサンタさんはにっこり笑ってウィンクした。
あれ? このプレゼントの包み紙、どこかで見たことがある……あ、そうだ。駅前のデパートの紙といっしょだ! ママがおばあちゃんにプレゼントしたマフラーもおなじ紙で包んであったもん!
『サンタクロースはパパなんだよ』
ぼくはそのとき、またたっくんが言ってたことを思い出した。
ううん、きっとサンタさんの国にもおなじデパートがあるんだよ。
「あけてみていい?」
ぼくがそう言って見上げたときには、もうサンタさんはいなくなっていた。
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