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「……りょう、りょうくん」
ママの声で目が覚めた。
「起きて、朝ごはん食べなさい」
もう朝なんだ。
せっかくサンタさんに会えたのに……え? 朝!?
「サンタさんは!? ママ、サンタさん見た!?」
「今年もプレゼント、もらえてよかったわね。りょう、いい子だったもんね」
ママはそう言ってぼくのおでこにキスをした。
枕のそばには、あの包み紙のプレゼントが置いてある。
昨夜のサンタさんは、ぼくの夢だったのかな。でもサンタさんにもらったプレゼントとの包み紙とおんなじだし……やっぱりサンタさんは来てくれたんだ。
きっとそうだ。
ううん、ぜったいにそうだ。
『サンタさんは信じる子のところに来るのよ』
ママもパパも、幼稚園のありさ先生だって言ってたし。
ぼくは信じてるもん!!
だからきっとサンタさんは来てくれたんだ。
あれ? プレゼントの下になにかはさまってる。なんだろう?……お手紙だ。
「ねぇママ、これなんて書いてあるの?」
「え?」
ママはふしぎそうな顔でそのお手紙を読んでくれた。
『りょうくんへ。
わしが信じる子のところへ行くというのはほんとうじゃよ。
信じる気持ちがあれば、なんでもできるんからじゃ。
自分を信じること、たいせつなだれかを信じること、そして見えない何かを信じること。来年も、その気持ちをわすれずに、いい子で――メリー・クリスマス。
サンタクロース』
「ぼく、きのうのよるサンタさんに会ったんだよ! やっぱり夢じゃなかったんだね!!」
ぼくは嬉しくてそのママに抱きついたんだ。ママは、
「そうね。りょうが信じていたからサンタさんからは来てくれたのね」
にっこりて笑ってぼくをぎゅう、ってしてくれた。
サンタさん、今年もプレゼントありがとう。
ぼくはずっと信じてるから、来年もまたきてね。
メリー・クリスマス
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