プロローグ

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走った。兎に角走った。 息が白く淀んでいる。 あの路地を曲がれば…っ。 私は一気に加速した。 後ろから追って来る赤い腕。 私は腹の左を押さえる。 酷い出血…。 いや、兎に角走らないと。 路地裏で、なるべく音をたてないように息をした。 今日こそは逃げられる。 大丈夫。私は―…。 後ろから私の頭を掴む赤い手。 「いやっ!!」
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