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何やら不気味な院長に説得され、彼はしぶしぶ話を聞く事にした。
『近宮君、君は肺結核に侵されているのだよ。』
「肺結核~?んなもん、とっくの昔に無くなったんだろ?
だったら慌てる事じゃねぇだろ。
結核が不治の病なんて言われてたのなんて、もう何十年も昔の話だし。」
『違うのだ、違うのだよ。
新たに流行の恐れのある結核菌は、以前のものとはうって変わって、従来のワクチンが効かないのだ。
結核は、今まさに不治の病として復活しつつあるのだ。』
「それって…どういう事だよ?
俺は、どうなっちまうんだ?」
『君には、山奥にある結核収容所・サナトリウムに行ってもらう。』
「……隔離…って事か…?」
『…まあ、そうとも言う。わかるね?これは仕方の無い事なのだよ。
君も知っているとは思うが、結核というのは空気でも感染してしまうのだ…。
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