春の訪れ ~第一幕~

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 しばらくして、車が止まった。  すぐに彼はアイマスク、耳栓、ロープをはずされて、乱暴気味に扱われた。 『早く出ろ。』 眩しさに苦戦しつつも目を開けた。 彼は自分の目を疑った。  宇宙服らしきものを身にまとい、背中には酸素ボンベ。 顔は透明なプラスチックのヘルメットで覆われている。 そんな大柄の男が一人、背は高いがひょろっとした男が一人、少し肥満体質の男が一人、彼の前に立ちはだかっていた。 そして、また一人の男が、他と同様の格好をして建物から出てきた。  四人の男たちに引かれ、目の前にある建物の中へと入っていった。
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