プロローグ

2/8
前へ
/163ページ
次へ
 その日は朝から体調が悪かった。 けたたましく告げる体温計の音色は、約四○度を示している。 「ああ、やっぱりこれは、見事な風邪だ…。」 彼は自分の額にゆっくりと手を当てて、再度確認するかのように頷いた。 窓から見える空は、辺り一面真っ青で、彼の気分とは裏腹にその姿を保っていた。
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加