プロローグ

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 ふいに、彼は立ち上がった。  そうだ。救急箱にカプセルの風邪薬が入っていたはずだ。 彼は真っ直ぐに救急箱へと向かったつもりだった。 が、四十度という高熱にもちろん勝てるわけもなく、一歩も動かないまま、もといたベッドに倒れこんでしまった。 もはや歩くことすら困難となっていたのだ。 こんな時、友達と呼べる人、若しくは、恋人と呼べる人が居たのならば、どんなにか良かっただろうか、などと思いながら、再び布団に潜る。
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