プロローグ

6/8
前へ
/163ページ
次へ
 そんなことを予想しながら、彼は次の言葉を待っていた。 しかし、そのクラスメートは意外な行動に出た。 ―――地獄が始まった。  その日を境に彼はいじめに遭った。 そしてそれは、毎日エスカレートしていく。 人との接触はなるべく避けた。 そんな心配しなくても、皆、彼から離れていった。 彼を庇うことによって、いじめの対象にされてしまうかも知れないという恐れが、周囲の人々には当然の事ながらあったからだ。 いじめに遭って以来、彼は人を信じることが出来なくなった。 と言うよりは、人を信じたくなくなったのだろう。  彼は本気で、自分をいじめていたクラスメートを信じていたのだ。 たった一人の親友と呼べる存在なのだと、心から思っていたのだ。 ―――何トイウ酷イ裏切リダ―――
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加