プロローグ

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 事の発端は、この日の彼の突然の発熱から始まった。 勿論、この時は彼自身もまだ気付いてはいなかった。 いや、気付けと言う方が無理だったに違いない。 医師のある一言が、彼の人生の歯車を狂わせることになるとは、この時一体誰が知る事が出来ただろう。  少し経って、遠くの方からサイレンが聞こえた。 救急車が来た。 彼は部屋を出て行った。 もう二度とは戻ってはこないだろう、この部屋を背に。
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