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車を10分程走らせると、[ロジウム]が見えてきた。
ロジウムは、この辺ではかなり大きなアミューズメントで、一階はパチンコ 二階はスロット 三階はビリヤード、ダーツ 四階はカラオケとなっている。
いつも、竜也はそこのスロットを打っている。
車を止め二階のエレベーターのボタンを押すと、夢芽は竜也を探しにホールの中へと向かった。
竜也の姿はすぐに見つける事が出来たが、夢芽はなかなか側に近づけないでいる。
〔ヤバッ、どうしよう…緊張してきた〕
そんな事を考えていると、竜也が振り向いて夢芽を見つけた。
「何固まってるの!?」笑いながら竜也が近付いてきた。
「打たないの!?…つうか、元気してた?最近来なかったジャン!?」
『うん、忙しくてね。月ちゃんはずっと来てたの!?』
月島竜也 彼のフルネームだ。
「おうよ!!でも、駄目だなぁ…余り勝てねぇ!」苦笑いをしながら、夢芽に良さそうな台を探している。
そんな竜也の横顔を見つめながら、この先の事など想像出来ない夢芽だった。
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