センチメンタル馨君(馨)

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センチメンタル馨君(馨)

テレビを見ていてふと外を見たら茜空から夜空に変わっていくのを見た。僕はソファーから立ちベランダに向かった。 窓を開けたら冷たい風が僕を包んだが、何となく嫌な気持ちにならなかった。 僕は空を見たがゆっくりと色が変わっていく光景は幻想的でまるで別世界にいるような感じがした。 オレンジの空がだんだん薄い紫色になる光景はまるでオレンジ色の上に薄い紫を塗っているように思えた。 そういえば小学生の時に美術の授業で初めて絵の具を使った時、先生が赤に白を混ぜたらピンクができると言って実際にやったら本当にできて心底驚いたことがあった。 もしかしたら神様がパレットと筆を片手にこの空の色を塗ってるんじゃないだろうか。ふとそんな事を考えてしまう。 僕は手すりに腕を置き頬杖をして神様の作業を見続けた。
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