イノチ

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キは話す さわさわ かさかさ 「昨日はリスが来たね」 「あの小鳥、また来るかな」 「ヒトが来たよ」 「コドモだね」 「登ってくるよ」 「大丈夫かな」 「ボクらが頑張って踏ん張れば大丈夫」 「そうだね」 キはヒトよりずっと長く生きるから 何倍もの情報を持っている 「裏のお家、ヒトが増えたね」 「可愛いね」 「マチの景色、変わったね」 「仲間、減ったね」 「寂しいね」 ある日キカイを持ったヒトが来た 「ヒトが来たね」 「オトナだね」 「キカイ持ってるね」 キカイがキに当たる キにキズが出来る キズは深く深くなっていく キの中からたくさんのコナが飛び散った オトナの顔に、腕に、体に、飛び散った 「イタイ」 「やめて」 「なんでこんな事するの」 「イタイイタイ」 「助けて」 「タスケテ」 キが消えた キは自分の居た場所と歳だけをヒトに残して キ エ タ ざわざわざわ 仲間のキは泣いていた
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