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廊下に出ると、ひやっとした空気に変わった。冷たい床を裸足で通り過ぎる。
「おや、珍しい。もう起きたのかい?」
台所にいたおばあちゃんが声をかけてくる。
「クロとシロのおかげで起きれたよ。」
鉛がいつもの優しい声でおばあちゃんに返事をした。
私は2人の会話に耳を傾けながら、テーブルの上の朝ごはんをつまみ食い。
「鈴!朝ごはん食べるならちゃんと座ってたべな!」
おばあちゃんの声が私に飛んだ。絶対見てないはずなのに…すぐバレちゃう。さすが60年生きてるわ。
「はいはい。鉛~ご飯食べよ!」
鉛に声をかけながらも、私はパンをかじった。
「7時には境内集合ですねたいちょー」
鉛が笑いながら椅子に座った。朝ごはんは鉛と食べるのが日課になってた。あの日までは…。
朝ごはんを食べた私と鉛はいつもなら2人で境内に行くのだが、今日だけは違っていた。
「鈴、ちょっと手伝っておくれ。」
おばあちゃんに私が呼ばれたからだ。
鉛は先に行くねって言って台所から出て行った。
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