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「おばあちゃん、手伝って?」
お手伝いを頼まれるのは久しぶりだから、少しワクワクしながら聞いた。
「お隣りの深埼(みき)さん家へ回覧板を届けておくれ。」
「げっ…深埼って楢(ゆう)の家じゃん。」
楢とは幼なじみで、よく鉛と比べられてたからあんまり好きじゃない。
断ろうと前を向いたら、もうおばあちゃんの姿は台所になかった。
テーブルには回覧板が残されていた…。
「えっ…マジで?」
私は思わず声に出してしまった。仕方なく回覧板を手に取り、コートを羽織った。
玄関のドアを開けると、視界が真っ白になった。昨日のうちに雪が降ったみたいだ。
鉛はこの寒い中、ひとりで境内の掃除…。私ならさっさとこたつにもぐる!
そんなことを考えながら、耳あてとマフラーと手袋をして完全防備で家を飛び出した。
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