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カナタ「ここは……どこ?真っ暗だな……」
「しくしく……」
カナタ「……なんだ?この、すすり泣き……」
「しくしく……」
カナタ「……君かい?泣いているのは」
「しくし……く?」
変な少女がカナタを見た。
カナタ「……?」
「誰……?」
カナタ「え。ああ、うん。……僕はドイトウ・カナタ。君は?」
「私……分からない」
カナタ「分からないって……」
「分からないんです……。私は誰なのか、なんていう名前なのか」
カナタ「それって、記憶喪失、かな」
「……しくしく」
カナタ「ああ!泣かないで!……分かった。僕が君に名前をあげるよ」
「あなたが?私に?」
カナタ「うん。そうだなぁ……ユカリ、なんてどうだい?」
「ユカリ……?」
カナタ「ああ。髪が綺麗な紫色だし、ね」
「綺麗……ですか?私が?」
カナタ「うん。……嫌、かな?」
ユカリ「ううん……。すごく、気に入りました!ありがとうございます!」
カナタ「そう。良かったよ」
ユカリ「……また、逢いに行きます。カナタ様……」
カナタ「へ?」
カナタの足下には、地面がない。いや、なくなった。
カナタ「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
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