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紅葉に起こされて約三十分。
「陽飛遅……」
「陽飛様のことを呼び捨てにしたらダメだよー」
「大丈夫大丈夫、本人の了承得てるから」
たぶん。
「なぁ、紅葉…。何でそんなくっついてくんの?」
紅葉は蓮の背後から抱き締めていた。
「紅葉が蓮君のこと気に入ったから!
気にしなくてもいいよ」
そう言われても、背中にいやらしいものが当たってるんですけど……。
「でもぉ、何かしてきたら…」
紅葉が耳元で、
「殺っちゃうよ?」
嗚呼これって、
理不尽だぁぁ!!!
心の中で泣いていると、扉が開いた。
「あ~…网菜(アミナ)も五月蝿いなぁ」
頭を掻きながら陽飛がやっと戻ってきた。
「何やってんだよ紅葉。今授業だろ?」
あれ?
抱きつかれていることはスルーですか?!
「どうせ、自習だもん」
「アホか。さっさと戻れ」
「イーヤ!」
さらにきつく絞められた。
これはもう首絞められている領域だ。
「く、苦しっ」
机をバンバン叩く。
「も、みじ、放せっ」
ヤバい。
なんか昇天しそう。
あっ、もう昇天してるんだっけ?
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