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真冬の朝、いつものようにマンションを出て、徒歩約三十秒の目の前の高校に通学したずなのに……
何でこんな暗闇の中にいるんだ?
「てか、ここどこ…」
声がやけに響く。
人生初、誘拐された?
いやいや、どこの世界に健全な男子高校生を誘拐する奴がいるんだよ。
いるかもしれねぇけど!
「……」
見渡す限り吸い込まれそうな闇一色。
「果てあんのか?これ…」
だんだん不安になってきた。
「マジ、どうしよ…」
ケータイが入っているスクールバックもどっかいった。
こりゃ、マジで誘拐?
となると、犯人も大胆だなぁ。
学校の前で俺を拐うなんて。
……コツ……コツ………
突如、ホラー映画のような不気味な足音が響いた。
ぞくっと背筋に寒気が走る。
「もしや…犯人ご登場?」
足音はどんどん近付いてきている。
しかもこっちの方に。
俺の運命やいかに…!
ふざけるのやめとこ……。
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