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「……」
蓮は身構える。
いつでも犯人を殴れるように。
武器を持っていたら?
それはそれで土下座のみ。
「来るなら来やがれ…!」
…コツ……コツ……コツ………
しかし、やっぱり腰が退ける。
素直に土下座して逃がしてもらえないかなぁ…………………無理…だよな…。
すると、足音が止まった。
「おい」
……………………………………………………………………………後ろからいらっしゃったぁ!!
俺、かっこ悪?!
「聞いてん[ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!]………………はぁ?」
「お願いですから殺さないで下さい!!御望みとあらば腎臓なり何なり差し上げますから生かして帰してくださいぃぃ!!!!」
言い切った…!!光の速さで言ってやった!!
「お前、何意味分かんねぇ事言ってんだ?」
「……へ?」
顔を上げた。
そこには、自分と年が同じくらいのかなりかっこいい青年。
黒髪に茶色のメッシュが入っていて、漆黒の瞳はじっと蓮を見ている。
黒いスーツを着ていて、何故か、左手だけに黒い革手袋をはめている。
「……誰?」
「えーと、春樹 蓮だな?」
少年は質問にも答えず、逆に聞いてきた。
「はぁ、そう…ですけど………」
何で知ってんの?
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