零・死亡

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  「えーと…あんたが誘拐犯?」 信じられない。 そんな変態に見えないのに。 「…………何馬鹿な事言ってんだよ」 すらりと否定された。 ……まぁ、誘拐じゃないだけよしとしよう。 全然、よしっていう状況じゃないけどね! 「じゃあ…ここどこですか?」 「あの世とこの世の境だよ。 お前死んだ事覚えてないのか?」 ………………間。 「はぁぁぁ??!!」 し、しし死んだああ?! 「チッ…めんどくせぇ奴引き受けちまった……」 青年は何やら呟いて、額に掌をあてている。 「説明してやるから、落ち着け。 えーと、春樹 蓮、朝の八時二九分に………遅刻ギリギリじゃねぇか…まぁ、いいや。 その時間に突っ込んできた車に潰されて死亡。 分かったか?」 唖然としか言いようがない。 えっ?車に…潰された? 聞き間違いかな?うん。 「んな、アホなぁ」 「アホはオメェだ」 ばしっと頭を叩かれた。 「ってぇ!」 この人容赦ねぇ?! 「現実を認めろ。お前は死んだ」 「…………分かりたくありませーん」 また叩かれた。
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